ようこそベルフルールへ

 席数26席の小さなフレンチレストランです。
  
※現在新型コロナの影響で入店人数を制限しております
 このページでは 当店が客様の為にご用意してるものや 使用する食材、食器、ワインの事など
 当店のお勧めポイントを少し書きますね。
 いささかラフな文章で書きますがご容赦を。

 ご来店の皆様に まず感じて頂きたいのが広さの贅沢。
 ホテルのダイニングには敵わないかもしれないですが 町場のレストランでこの広さはなかなか無いと思います。
 私自身 狭いお店が好きではないので 思い切って席数を少なくしてあります。

 また 狭い店で多く感じる 「向かいの連れより 隣の他人が近い」
 「知らない他人と背中合わせ」 ちょっと嫌じゃないですか?
 どちらもベルフルールでは起こりません。 心地よい時を過ごして頂くため
 同じグループの方が一番近くなるようにしてあります。

 写真にも映っていますが 当店の中央は大人3人がすれ違えるゆったり空間。
 もう一列テーブルを置けるほどなので 車椅子の方でもそのまま席まで行けますし、
 ベビーカーのお子様がご一緒でも安心です。
 そうそう、客席両サイドは全面ソファー だから小さなお子様を寝かせても大丈夫。
 時には酔った方が寝ても大丈夫・・・。

 店内は赤と緑を基調にした落ち着いた色で 絨毯は赤、椅子は緑、テーブルクロスも緑とピンクを使っています。
 そして 上質な空間を作るために 店舗を作る時から考えて 長時間座っても疲れない椅子、
 テーブルごとに当てるスポットの照明
 生花、絵画 (カトラン、ミロ、タカハシシュウの絵が掛けてあります 是非見て下さい)
 快適なお手洗いなどをご用意しています。
 今後もお客様のご意見をお聞きしながら、より良い空間づくりを目指しています。

 幸か不幸か この店には窓がありません。 ならば 食事をしている間
 自分がどこにいるか分からなくなる様な別世界になったらいいなぁと思います。
 私が昔、大阪のとあるレストランで感じた感覚、店を出て 自分がどこに居るのか違和感を覚えるような感じを
 この店でお客様に感じて欲しい。そう思っています。

 もうひとつは時間の贅沢。
 当然 客席に時計はありません。ヨーロッパのようにディナーの終わりが午前様とはいかなくても
 急いて食事をするのではなく ゆっくりと時間を過ごして頂きたい。
 ちなみに 料理も手作り、作りたてであることが第一で 既製品や保温で早く出すことは まったく考えていません。
 この店には電子レンジは置いていないですし、
 お客様に待って頂いてでも正直な料理をご提供したい。私は料理人ですから。

 レストランで食事を楽しむのはもちろんですが 空間や時間も大切な要素だと考えています。
 
 

 食器について

 レストランであるからには 当然、たくさんの食器を使います。
 私が食器を揃える時に考えたことは ハレの日の食事、特別な食事にふさわしい食器であること。
 ちょっとゴハンで来られた方には より贅沢な感じかもしれません。

 主に使っているのは
 ウェッジウッド、リチャード・ジノリ、ロイヤル・コペンハーゲン、大倉陶苑のもので
 いくつかは無名ブランドで気に入ったものも使っています。

 カトラリーは全てシルバーウェアです。
 シルバーは手入れをしないといけませんが やっぱりステンレスとは輝きが違います。

 非日常のお祝いや会食を安っぽい皿で食べたのでは台無しです。
 普段使いできない高級な食器で食事をするのも レストランの大きな楽しみの一つだと思います。
 
 

 ワインについて

 別にフランスの食文化うんぬんを言うつもりはないのですが
 私自身ワインが(酒が?)大好きなので それなりにワインを揃えています。
 できるなら お客様にも料理とワインで楽しんで頂きたいと考えています。

 フレンチレストランにとって料理とワインは同じ重要度だと思っています。

 品揃えは、フランスワインが7〜8割、 その他の国のワインが2〜3割くらい。
 地域や、価格、味わいなどのバランスを考えながら仕入れています。
 
 ワインは仕入れのタイミングや数量で価格の変動も激しいので
 常に輸入元や取引先の資料に目を通し できるだけ「良い物を安く」ご提供できるように まとめ買いをしたり、
 すぐに必要のないアイテムを仕入れたり、同じものなら少しでも安くご提供できるようにしています。
 (安ければ何でもいいというようなワインは仕入れません)

 また使用するグラスは シャンパーニュ(スパークリング)用に2種類、赤、白ワイン用に6種類のグラスを
 ワインに合わせて使い分けています。
 
 





 食材について

 取材で「こだわりの食材は?」とよく聞かれるのですが 私は「こだわり」という言葉に良いイメージを持てないので
 「ありません」と答えています。 あえて言うなら「吟味した食材」を使うよう心がけています。
 当然、価格や取引量の問題で、最高級のものばかりは使えなくても
 自身が納得してお出しできる価格とクオリティーのものを選んでいます。

 お客様によく説明する(質問を受ける)食材について書きます。
 「現在は」というお話なので、よりよいと思えるものが見つかれば すぐに、今使っているものと変えてしまいます。

  【フォワグラ
   フォワグラは開店以来 常にフレッシュのものだけを使っています。
   冷凍は使いません。フォワグラにはフランス産、ハンガリー産、
   それぞれガチョウとカモで4種類のフォワグラがあります。
   ほとんどの場合 ハンガリー産のガチョウのフォワグラを使います。
   ごくまれに メニューに合わせてフランス産やカモのフォワグラも使うのですが 年に1〜2度くらいです。
   
※新型コロナの影響で輸入が長期にわたって止まっています

  【オマール海老・伊勢海老】
   これらの大型の海老は 予約に合わせて必ず生きているものを使います。ちょっと残酷なようですが、
   生きている時に下処理をはじめたものと、そうでないものは、全くクオリティーが違います。

   他の小型の海老は ランチのお客様からのリクエストも、
   加工して使うことも多いので 活と冷凍を使い分けています。

  【バター
   当店で使うバターは国産の発酵バター。
   フランス産も輸入はされていますが、高関税で価格が高すぎるので使っていません。
   ただし国産の発酵バターのクオリティーには充分満足しています。

   発酵バターは 通常スーパーなどで売っているバターと比べて価格は約1.5倍ほど。
   多少高額でも 風味や口どけなど、質を考えると譲れないところです。

  【魚介類
   魚は基本的には 地物を中心に活魚を使います。
   ただし、近年は取り寄せのものもクオリティーが上がっているようなので、
   少し試してみたい気持ちも持っています。

  【肉類
   フレンチレストランは実に数多くの肉を使います。ヨーロッパが肉食文化のせいでしょう。
   実は種類が多すぎて、ちょっとここでは書ききれません。
   良く使う肉を書くと、家禽類は鴨、鳩、ウズラ、鶏、ひな鳥、ほろほろ鳥など、
   獣類は豚、仔羊、仔牛、猪、牛など、内臓を何種類か(フォワグラもこのカテゴリー)、
   秋のシーズンにはジビエ(狩猟鳥獣肉)も使います。

   少し説明すると、鴨はシャランとバルバリー2種類の胸、シャランの腿、計3種類。
   仔牛、仔羊ははオーストラリアとニュージーランド産。
   豚は一番使うのがスペイン産のイベリコ豚、その次がフランス産のビゴール豚。
   牛はそもそもあまり使わないのですが、通常扱っているのは日本短角種のロースだけで、
   まれに他のランク(と言っても下げても交雑牛までです)の肉も使います。

   ランクに関しては、牛以外の肉も色々なランクがあります。
   メニューを見ただけではわからなくても なるべく上質なものを使うようにしています。

   仕入れる状態は生、冷凍どちらもありますが、加工されたものは使っていません。(生ハムは例外ですね)
   個々の詳しい説明は長くなりすぎるので避けますが、
   もちろん、これらもクオリティーと価格を考えながら選んでいます。

  【調味料など
   その他の副材料というか、調味料なども多くの種類を使い分けます。
   たとえば、油は加熱用がコーン油(以前は米油を使っていたのですが入荷できなくなったので)、
   グレープシード、ピュアオリーブ、 主に仕上げに使うのがヴァージンオリーブ、アヴォカド、クルミなど。
   塩も仕込み用、下味用、それに仕上げに使うものが3種類。
   ビネガーも7〜8種類使っていますし、
   お酒やハーブなどは自分でもよくわからないくらいの種類を使っています。

 大雑把に説明すると こんな感じですが、素材は毎日触れるもの。
 常に新しいものに対して、アンテナをはり、よりご満足いただけるものを探していきたいと思います。
 
  よく質問を頂くこと

非常に多くお客様から質問を受けることを2つ。私の考えを書かせてもらいます。

一つめは飲み放題の有無について。当店では設定してありませんし、今後も予定はありません。
とういのも、前にも書いたとおり、時間を贅沢に楽しんで頂きたいので、時間を制限してしまうプランはやりたくないのです。
それに、飲み放題をするとなると美味しいと思える飲料よりも、価格を優先してしまいがちですし
一般的に得をするのはお店と2割のお客様。残りの8割のお客様は価格なりか損をしてしまいます。(主観的な意見です)
損をするお客様がでてしまうシステムには いささか抵抗感を感じています。

二つ目は駐車券の有無について。これも当店ではサービスしておりません。
お酒をお勧めする商売である以上、お車での来店はこちらからお願いすることでは無いと思います。
駐車券を出している店に、わざわざ電車で行って料理とお酒を楽しんでも、電車代は出してくれません。
一方で料理だけ食べた人にサービスがあるこれは不公平です。わたしがお酒好きなので 余計に感じることかも知れませんが。
当店では、サービスの部分は 全てのお客様に公平に。と思っています。
一番わかりやすい部分では 無料でご提供するお水をミネラル・ウォーターにしています。
 
  最後に

食材の説明でこだわりは無いと書きながら ひとつだけ私がこだわっているものがあります。
それは店名の前に書いている「レストラン」という言葉です。
ただ空腹を満たすような、つまらない店には「レストラン」を名乗って欲しくないです。
日本では飲食店全般をレストランと表現してしまいます。しかし 日本料理のお店に料亭や割烹、居酒屋などカテゴリーがあるのと同じで
フレンチの店のカテゴリーのひとつがレストランです。ビストロでもブラッスリーでもなく レストランとして営業したい・・・。

星付の店のような一流のサービスなどできず、アットホームな雰囲気でやっている当店でも
お客様の大切な日、あるいは人生の節目になるような日のお食事を提供できる店でありたいと思っています。
力不足の事も多くお客様に助けて頂いているような毎日ですが よりよい「レストラン」を目指して頑張ります。
よろしくお願い致します。